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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

「家族は、選べる」と教えてくれるNASA流『家族の定義』とは

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「どの親から生まれてくるかは選べない」ってのは、改めて指摘するまでもない自明なことです。裕福な両親のもとに生まれたかった…って考える人もいれば、DVがない家庭で育ちたかったと思う人もいるでしょう。

人間関係、特に家族との関係について示唆を与えてくれる本『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』では、「家族は、選べる」という考え方を紹介しています。家族との関係で悩んでいるなら、この本を読むと気が楽になるかもしれません。

NASAの家族は「配偶者・子・子の配偶者」のみ

NASAには昔、宇宙飛行士の家族を支援するための「家族支援プログラム」が存在していたといいます。宇宙飛行士の家族の心理的なサポートを提供したり、ロケットの打ち上げ時に特別室から見学できるようにするなどの仕組みがあったそうな。

NASAのプログラムでは、家族を2種類に分類しています。「直系家族」と「拡大家族」の2つです。言葉を読むだけでは、直系家族のほうが血のつながりがある両親や兄弟で、拡大家族は親戚や親友が含まれる…というイメージがわくと思います。

しかし、NASAによる家族の定義は少し違います。

NASAの定義は明確だ。
①配偶者
②子ども
③子どもの配偶者
までが、「直系家族」なのだ。

直系家族には、自分の夫もしくは妻と子ども、そして子どもの夫もしくは妻だけが含まれる、と。

親も兄弟も、家族と考えなくてもいい

父親も、母親も、兄も、弟も、姉も、妹も、特別室に入ることはできない。血がつながっているはずの彼らは、みな「拡大家族」に分類されているのだ。

この定義は、両親や兄弟との関係でトラブルを抱えている人には、救いのある定義のように移るでしょう。「あ、あのNASAが両親や兄弟は家族とみなしていないんだ」と。

私も過去に両親といろいろあった経験を持つ身ですので、この考え方に出会ったときは衝撃でした。彼らのことを家族だとみなさないって考え方も許されるんだな、って感じで。

家族のことで一番悩んでいた高校時代の私が、もしこの考え方を知っていたらどれだけ救われたのかな、と今になって思いますね。

家族は「夫婦」から始まる

落ち着いて考えていけばよくわかる。家族とは「親子」の単位ではじまるものではなく、「夫婦」の単位からはじまるものなのだ。同性婚を含め、自分で選んだパートナーこそが、ファミリーの最小単位なのだ。

親を選んで生まれることは、誰にもできない。

でも、パートナーを選ぶことだったら、誰にでもできる。

著者の幡野さんのこの言葉には、大いに納得させられました。自分がパートナーを選んで初めて新しい家族が誕生するんですから、NASAが両親や兄弟を家族とみなしていないのも当たり前のような気がします。

もちろん、両親や兄弟と仲が良くてトラブルもないって人なら、「そんな定義はおかしい!」と否定して、大事な家族として接すればよいでしょう。

一方で、両親の介護で心身ともに疲労して自殺を考えるくらいなら、親と縁を切って自由に生きるほうがマシです。兄弟から暴力を受けるんなら、さっさと自立して一人暮らししたほうが幸せでしょう。

「でも、両親も兄弟も家族だから…」と、その一歩が踏み出せない人には、『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』の考え方が参考になるんじゃないでしょうか。