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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

2つの仕事を重ねると必ず一方の仕事がはかどる「生産的先延ばし」の法則

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古代ギリシャの偉人アリストテレスは、『ニコマコス倫理学』のなかで意志の力が弱い人のことを「アクラシア」と呼んでいます。特に先延ばしをしてしまう人のことを「マラキア」と呼びましたが、これは「ゲス野郎」なんて意味もあるんだとか。

私もそんなゲス野郎の1人であるんですが、できるだけ先延ばしを回避し、やるべきことをすぐに終わらせられるよう努力しています。その工夫の1つが、今回紹介する「生産的先延ばし」の法則です。

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1.先延ばしは生産性の天敵

やるべきことを先延ばしにするのは、言うまでもなく悪いことです。仕事や勉強、家事などやらなくてはいけないことがあるのについついスマホを触って遊んでしまう…。そんな経験は誰にでもあることですが、そうした習慣が生産性を低下させてしまうのは明らかです。

それを防ぐために私たちは、スマホやお菓子など魅力的なものを視界に入れないようにしたり、「この時間からは絶対に勉強をする!」などとスケジュールを組むことが大切になってきます。

ところが、実は先延ばしの中にも生産性を向上させてくれる先延ばしがあります。それが「生産的先延ばし」の法則です。

2.「生産的先延ばし」とは

生産的先延ばしっていうのは『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』という本に出てくる言葉です。

課題の締め切りが迫っているとき、貴重な時間に、取りつかれたようにせっせと鉛筆を削ったり、靴を磨いたり、寝室を掃除したりするのは、生産的な先延ばしの例だ。

先延ばし行動であることに違いはないが、まったくの時間の無駄というわけではない。目下の最優先課題ではないにせよ、なんらかの課題が処理される。

つまり、つい先延ばししてしまうような困難な課題を目の前にすると、それより難度の低い課題が処理されるということです。たとえば、勉強をすることも机の上の整理をすることも、どちらも学生にとってやるべきことになるでしょう。

もし「机の上の整理」という課題だけが目の前にあったら、 いつまでもぐずぐずと先延ばししてしまう可能性があります。でも、「勉強をする」という難度の高い課題に直面すると、より簡単に終わらせることができる「机の上の整理」が片付いてしまうというわけです。

3.難易度の違う2つの作業を同時にスケジュールしてみよう

完璧主義に陥るあまり、ささやかな前進の可能性を閉ざすのは有益でない。

「けっして先延ばししない」ことにこだわりすぎて、目下の懸案以外の課題に手を出すことをいっさい避け、生産的な先延ばしの余地をなくすと、結局なにもしないで時間ばかりが過ぎていきかねない。

先延ばしの衝動にほどよく歩み寄るのは、悪いことでない。生産的な先延ばしをすれば、ある課題は先延ばしになるが、別の課題が処理できるのだから。

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』著者ピアーズ・スティールは、このように述べています。完璧主義に陥って、難度の高い課題を終わらせることばかりに意識を向けていては、いつまでも課題が進まずに時間を浪費し、ストレスだけがたまってしまいます。

であれば、この「生産的先延ばし」の法則を逆手にとって、自分を課題に取り組めるよう仕向けることが得策ではないでしょうか。具体的には、気の進まないやるべきことを抱えている際には2つ3つと複数の課題をリストアップしてみるとよいでしょう。

たとえば、難易度1の「パソコンのデスクトップの整理」と、難易度2の「取引先へメールの返信」と、難易度3の「プレゼン資料の作成」をToDoリストにあげておきます。そうすれば、難易度3課題だけをリストアップするよりも、生産性を高めてくれるはずです。

難易度1のタスクや難易度2のタスクを終わらせることができれば、モチベーションがあがって難易度3のタスクにも取り組みやすくなるかもしれません、なにより、「やるべきなんだけどな〜めんどくさいな〜どうしようかな〜」なんて不毛な時間を浪費せずにすみます。

ただし、複数のタスクを同時進行する「タスクスイッチング」に陥らないよう気をつけましょう。

まとめ

というわけで、2つの作業をリストアップすることにより、難度の低いタスクが必ずはかどるようになる「生産的先延ばし」の法則を紹介してきました。

私たちが第一優先で取りかかるべきは、難度が一番高いタスクのはずです。難度が高いってことは、重要性が高いってことでしょうから。とはいえ、難度が高い仕事は取りかかるハードルも高いもの。

なにもせずいつまでもグズグズしてしまうのが最悪な選択肢ですんで、それを回避するため難度の低いタスクをこなすことに注意を向けてみましょう。勢いに乗ってそのままタスクをすべて終わらせることもできるはず。