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意志の力を高め、集中力を最大化するための7つの行動

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「もっと意志の力が強かったら、貯金も仕事も恋愛もうまくいくのに…」なんて考えることはありませんか? 近年の心理学研究では、自制心や意志力こそがもっとも重要なスキルだとする意見もあります。

では、私たちの意志力はどうやったらうまく活用できるのでしょうか。今回は『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる』という本を参考に、意志力や集中力を最大化するための行動を7つご紹介します。

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1.他人に決断してもらう

マネーボール』作者のマイケル・ルイス氏は、2014年、バラク・オバマ大統領のライフスタイルを暴いたそうな。オバマ大統領はホワイトハウスでどんな暮らしをしていたのか。そんなレポートを参照すると、意志力を活用するヒントが得られます。

なかでも最も注目すべきは、オバマは大統領としての決断が必要となること以外は何ひとつ自分では決めないということだ。それゆえ、彼はブルーかグレーのスーツしか着ないし、出された食事以外を欲しがることもなく、日常生活における細々とした決定はすべて側近などに決めさせていた。

オバマ大統領は、本質的な決断以外はすべてアウトソースしていた、ってことであります。オバマ大統領にとって一番大事なタスクは、大統領として国の政策を決めること。ならば、それ以外の決断は自分でやらない、ってことを徹底していたそうなんです。

彼は、本当に極めて重要な問題以外のことについては、それをすべきかどうか悩む時間さえも惜しんでいたのだ。

食事はもちろん、服選びやスケジュールなんかも、スタッフに決めさせていたんですね。スケジュールや食事を自分で選ぶことは、生活をコントロールしている実感につながり、幸福につながるっていう話もあります。

ですがオバマ大統領の場合、徹底して決断の機会を減らすことで、国のために意志の力を使うシーンを限定したということになります。私たちも、今日何を食べるか、明日どこへ遊びに行くか、みたいなどうでもいい決断を減らし、仕事や勉強に意志力を振り分けられるといいですね。

2.ルーチン化する

オバマ大統領の話には続きがありまして、決断の機会を減らすだけでなく、日常の些細な活動をルーチン化していた、というエピソードもあります。

意識しないでも行動できるように何もかもをルーチン化することで、精神的エネルギーの浪費を回避していた。そうすることで、本当に重要な問題に対して大統領としての決断が求められたときだけ、彼はクリアな頭脳と質の高い集中力をそこに注ぎ込んでいたのだ。

イメージとしては、朝起きる時間から移動の車の中でやること、寝る前の歯磨きと入浴はどっちが先か、みたいなことをすべてルーチン化した、みたいなことかと思います。「どっちにしよう」「いつやろう」みたいな悩む瞬間をなくして、意志力を節約していたわけです。

先に紹介した、服装の話もルーチン化の1つの例でしょう。毎朝着る服を選んで精神的エネルギーを消耗しなくていいように、決まった服だけを身につけるようにしていたわけです。私たちも同じように、服装やスケジュールをルーチン化し、大事な決断の際に意志力を発揮できるように工夫しましょう。

3.アルコールを避ける

ここまでは意志力を節約する方法として、オバマ大統領の生活術を紹介してきましたが、意志力を浪費しないために「一番意志力を消費する活動」を知っておくことも大切です。『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる』によると、意志力を最も浪費する行動は以下の通り。

意志力を最も枯渇させるものは何だろうか? それは、アルコールだ。アルコールは、あらゆることに対して自分に「ノー」と言う力を奪ってしまう。例えば、さらなる飲酒から、食べることへの衝動、セックス、衝動買い、怒りの解放、そしてこれら以外の自滅的行為など、何もかもだ。

酒を飲むと自分に甘くなるぞ、ということですね。私はお酒が飲めないんであまり経験がないんですが、人ってアルコールが回るとたしかにバカになりますよね。

普段よりも衝動的になり、勉強や投資のような長期的な利益よりも、目先の快楽を優先してしまいやすくなります。感情をさらけ出して人間関係にヒビをを入れたり、大事な人を傷つけてしまうこともしばしば。

意志力を節約して大事なことに使いたいのであれば、アルコールは控えるようにしましょう。

4.注意欠陥特性(ADT)を克服する

ADHDという言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは注意欠陥・多動性障害をさす言葉で、落ち着かず常にそわそわしてしまう症状のこと。幼い子どもにはよく見られる性質ですが、年を重ねて大人になってもこうした傾向を持つ人がいます。

それに似た言葉で、ADT、日本語で「注意欠陥特性」なるものも存在します。

ADTというのは、今の「多動な」世界での暮らしや仕事の結果生じるもので、注意を向ける対象となるデータポイントがあまりにも多いことにより脳への負荷が過剰となり、シャットダウンし始める状態 なのだ。

つまり、ADHDのように疾患として認められたものではなくって、いわば性格の1つとして見られる注意の欠如のこと。スマホをはじめテクノロジーに囲まれた私たちは、1つのものごとに注意を向けることが難しくなっている…そんな現代病的な特性のことであります。

ADTという概念の提唱者、エドワード・ハロウェルによると、ADTを克服し、仕事の中断や注意力散漫を防止し、大事な目標を達成するためのアドバイスとして、次のように語っています。

自分の中のたくさんのポジティブ感情を引き出し、大切な人や尊敬する人たちと物理的な関わりを保つようにし、自分の脳に程良い休息と栄養を与えるように心配りをし、注意の散漫を避けるために生活や身の回りの物を片づけ、精神的に不安定になったときに、自分で自分の心を平穏状態に戻せるような心の鎮静方法を見つけること

つまり、

  • ポジティブで前向きに、
  • 大切な人と関わりを持ち、
  • 脳を休ませつつ、
  • 身の回りをシンプルにして、
  • ストレスへの対処策を考えておく。

この5つが効果的だよ、って話です。私は特に身の回りをシンプルにするってのが大事なんじゃないかと思っています。たとえば、部屋の中に本が1冊しかなければ、その本を読むために全注意力を注げるはず。

でも、本のほかにスマホやパソコン、マンガ、おやつなどにあふれている部屋にいたら、とても本を読む気分にはなれないでしょう。読書するにしても、スマホもパソコンもせず、マンガも読まず、お菓子も食べないで本を読むためには膨大な意志力を必要とします。

日頃から自宅はすっきりと片付け、大事なことに集中できる環境を整えたいですね。

5.ネガティブな人と距離を置く

研究によると、 私たちは絶えず「無意識に受ける刺激」にコントロールされている。

私たち人間には「意識」と「無意識」があるってのは、フロイト先生が提唱した有名な話です。なかでも無意識の力は絶大で、意識の何倍もの影響力を持っているとされてきました。意志力に関しても、この無意識の働きに注意を払う必要があります。

最新の研究では、会話をしている人たちの横を通ったときに意図せずして「不可能だ」とか「失敗する」といった言葉を耳にしただけでも、私たちの自制心は弱まることが明らかになった。

なんと、無意識的にネガティブな言葉を耳にするだけで、自制心が弱まってしまう、なんて研究があるそうな。たしかに「やれる!」「がんばろう!」「うまい!」みたいな言葉に触れるよりも、「無理だ」「あきらめよう」「下手くそ」なんて言葉に触れるほうが、やる気が落ちてモチベーションが削がれるような感じはしますよね。

この研究を活かすとすれば、常にネガティブオーラを振りまいているような人とは距離を置くべきでしょう。何かにつけて「自分なんて…」と必要以上に自虐的な人ってたまにいますけど、そういう人といっしょにいると自分の意志力もすり減っていくのです。

6.オーディエンス効果を利用する

図書館やカフェに行くと集中して勉強ができる…なんて経験を持つ人は少なくないでしょう。私も学生時代は、大学の図書館やファミレス、カフェなどに勉強道具を持ち込んで作業していたものでした。

なぜ自宅よりも図書館のほうが集中できるのか。それは、自分以外の他人の目があるからなのかもしれません。

いくつかの理論では、誰か他人の前で仕事をするとき、人には「オーディエンス効果」と呼ばれる現象が起きるとされている。自分が誰かに見られていると思うことで自己コントロール力が高まるのだ。

他者の目がある環境だと集中力がアップするのは、「オーディエンス効果」という理論で説明できます。オーディエンスってのは「視聴者」のこと。だれかによく見られたい、よく見せたいって気持ちが、意志力アップにつながるんですな。

ここぞというときには、図書館やカフェなど他者の目がある環境に身を置くのがおすすめです。

7.アファメーションをおこなう

最後に紹介する意志力アップ・集中力アップのための活動は、「アファメーション」に取り組むことです。アファメーションってのは、目標を声に出したり文字に書き出したりして宣言すること。

SNSなどでだれかに宣言しなくても、自分自身へ宣言するだけでも効果ありとされています。ただし、アファメーションの効果を最大化するためにはちょっとしたコツがあります。

研究によれば、何か特定のことを自分ができるかどうか、自分自身に問いかけることがより良い結果につながるとされているのだ。つまり、「絶対にトライアスロンに参加するぞ」という言い方ではなく、「私はトライアスロンに参加できるだろうか?」と問いかけるということだ。

「勉強するぞ!」と宣言するよりも、「勉強できるだろうか?」と考えるべし、ってことですね。「勉強できるだろうか?」と問いかけると、「勉強の障害になるものはなにか?」と考えることにつながります。すると「スマホや電源を切って、テレビの電源は抜いておこう」というアクションに結びつくわけです。

ほかにも「ダイエットするする」「貯金する」という目標を達成するため、障害となる誘惑やワナを考えてみることは有効です。自分に問いかける形でアファメーションをやってみましょう。

まとめ

というわけで、意志力アップ・集中力アップに役立つ7つの行動を紹介してきました。今回の出典は『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる』です。「やり抜く力」を解説した本ですが、やり抜く力を養うためには意志力が不可欠だぞ、という文脈で意志力アップの方法が語られています。

まとめますと、日々の生活で決断の機会を減らし、些細なことはルーチン化し、酒を控えて部屋を片付け、ネガティブな人とは交わらず、他者の目がある環境を選び、「この目標を達成できるだろうか?」と自問する。

これらの活動を取り入れることで、意志の力を高め、集中力を最大化できるはずです。どうぞお試しください。