哲学者サルトルの有名な言葉に「自由の刑」というものがあります。
また、心理学者によると私たちは「決定疲れ」というものを起こすそうです。
ならば「人生の選択肢を広げる!」って風潮は、必ずしも私たちを幸福にするわけではないのかも…という話です。
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1.自由な人生は本当にいいもの?
サルトルは『人間は自由という刑に処せられている』という言葉を残しました。
なぜなら、
「自由とは、何が正しいのかわからないのに『好きにしろ』と放り出されてしまった不安定な状態のことである」
引用:史上最強の哲学入門
からだといいます。
「どんな人生を歩んだらいいか」「どう生きれば一番幸福になれるのか」という真理を何も知らされないまま、この広い世界に放り出された私たち。
引きこもりの人生を選ぼうと、バリバリのビジネスパーソンとしての人生を歩もうと、その結果は自分で引き受けないといけない「自己責任」の世界です。
それならむしろ資本主義が確立する以前、平民なら平民の幸せ、貴族なら貴族の幸せってものが明確だった時代のほうが、むしろ生きやすかったのかもしれません。
2.『決定疲れ』という現象
ビジネス書でよく引き合いに出される、『選択の科学』のシーナ・アイエンガー教授による「ジャムの実験」があります。
結論をまとめると、店頭に置くジャムの種類が多いとより多くのお客さんが試食するようになるが、実際に購入するお客さんはジャムの種類が少ないときのほうが多かった、というものになります。
つまり、私たちは選択肢が多いと決定を先延ばしにしてしまうんですな。
これを心理学用語で『決定疲れ』と説明されています。
私たちがどんな人生を選ぶかっていう問いに直面した場合にも、この決定疲れという現象が起こると私は考えています。
「君はどんな人にもなれる!」なんて子どもの頃はいわれてきましたが、そんな風にいわれて「マジか!うれしい!」なんて思ったことはありませんでした。
「そんなこといわれたって選べないよ…」私はそんな風に思っていましたから。
3.選択肢が少ないほど迷いを減らせる
私はまだ20代前半ですんで、どちらかというとまだ選択肢が多い部類に入る人間だと思います。
これから一念発起して医師を目指したり、弁護士を目指したり、海外生活を目指すことだってじゅうぶんに可能でしょう。
でも私は、積極的に「人生の選択肢を減らす」ことに取り組みたい。
AまたはBまたはCという人生しか選べないといわれたら、即座にどれかひとつを選択できるようになると思うからです。
つまり、人生の選択肢を減らしたほうが、悩む時間を減らしムダにだらだら過ごす時間を減らすことにつながるからですな。
まあこれはひとつの偏った考え方ですんで、「こんな考え方もあるんだな」ってスタンスでとらえてもらえれば幸いです。
まとめ
- サルトルは『人間は自由という刑に処せられている』といった。
- 選択肢が多いと意思決定が難しくなる『決定疲れ』という現象もある。
- だったら、選択肢を狭めるって戦略も、人生の歩み方としてはアリだよね!
以上、『人生の選択肢を狭めるってのは、意外と悪いことではないのかもよ』という記事でした。
世の中では「人生の選択肢を増やすことが大事!」という風潮があります。
でも、そんな生き方が苦しいって感じることもあるでしょう。
どんな人生を歩みたいのかわからず、選ぶのに疲れて無難な職業やダラダラした生活を選んでしまう。
そんな人生がイヤなのであれば、一度「人生の選択肢を減らす」ことに取り組んでみてはいかがでしょうか。