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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

象をあやつる象使いになって、「変われない」を変えていこう

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象(感情)にやる気を出させて、象使い(理性)の力を最大限発揮し、道筋(環境)を整えて、自分やチームを変えていきましょう。

 

ニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルのNo.1ベストセラーである、ハース兄弟共著の『スイッチ!』。自分やチームを変えていく、具体的な方法を学ぶのに最適な内容になっています。

 

目次

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シンプルな3つの原則

本書の特徴は、なんといっても理性を「象使い」、感情を「象」、環境を「道筋」にたとえている点だ。筆者は、理性(象使い)に訴えかけ、感情(象)を揺さぶり、環境(道筋)を整えるというシンプルな条件を満たすだけで、誰もが思うよりも簡単に変化を引き起こすことができると述べている。(訳者あとがきより)

 

この本は、私たちが変わるために必要な要素をシンプルな3つに絞り、その3つの要素をいかに刺激するかという方法を示してくれています。3方面から行動を起こすことで自己改革を促し、「変われない」と嘆く人でも簡単に「変われる」でしょう。

 

象使いに方向を教える

まずは象使い、「理性」に方向を教える方法を学びましょう。

私たちの中の象使いは、慎重にものごとを進め、長期的な利益を得るために行動を起こします。短期的には損する可能性があっても、長い目で見ればプラスになる手段を選ぼうとします。

それが象使いの強みでもありますが、象使いの体力には限りがあります。「意志力」は使えば消耗し、糖分や睡眠を補給しなければ回復することはありません。また欠点ばかりに目を向け、長所は無視してしまう傾向も持ち合わせています。

 

ブライトスポットを手本に

そんな象使いに方向を教えるためには、2つの方法があります。

ひとつは、ブライト・スポットを手本にすること。つまり明るく輝いて、成功している部分に目を向けるということです。たとえ失敗続きであっても、ごく少ない成功した体験を思い出し、長所を伸ばすことを重視しましょう。

 

道しるべを立てる

もうひとつは、スタートとゴールを明確にすること。「目的地の絵はがき」を描き、具体的な未来像を決めてあげましょう。そしてスタート地点のハードルは極力小さく。大学受験で成功するというゴールを決めて、まずは鉛筆を持つことから始めましょう。

 

象にやる気を与える

象使いに方向を教えたら、次に象(感情)にやる気を与えましょう。私たちの象は強大なパワーを持っており、うまく操ればどんなことでもこなすことができます。しかし、操ることに失敗すれば目先の欲求を重視し、将来の蓄えがゼロのまま定年を迎えることになってしまいます。

 

成功と行動の好循環をつくる

そんな象にやる気を与える方法は、大きく分けて2つ。

ひとつは、小さな成功を積み重ねること。低いハードルを飛び越えることで、小さな成功は次の行動へと続いていきます。体重の重い象は、最初の一歩を踏み出すのに最もエネルギーを使いますが、動き始めたら慣性の法則でどんどん歩いていけます。

まずは確実に達成可能であり、それを達成することに大きな意義があることを目標にしましょう。早起きの習慣ならば、まずはいつもより15分早く起きるというのがオススメです。

 

失敗は投資である

もうひとつは、失敗を大切な投資と考えること。失敗は象のやる気を奪ってしまいます。せっかく動き始めた象を停止させてしまわないためにも、初期の投資は必要不可欠な投資であることを理解しましょう。失敗は成功よりも意義があり、たくさんのことを学べる貴重な機会です。

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道筋を定める

最後に、道筋(環境)を定めることを学びましょう。「早起きが続かないのは自分のせいだ」とか「甘いものを我慢できない自分の甘さが嫌だ」というように、自分の自制心(セルフコントロール)の不足で困ることも多いでしょう。そんな時には、自制心を高めようとするよりも、環境を変えるほうが必ずうまくいきます。

 

人生で大きな変化を起こそうとする時、「引っ越し」に結びつけると成功しやすいという研究があります。引っ越し先の新しい環境であれば、タバコやお酒の習慣が途切れ(いつもの場所にライターや缶ビールがないため)、やめたいと思っていた習慣を断ち切ることができるようになります。

 

アクショントリガーをつくる

引っ越しの例のように、行動を起こす引き金(アクション・トリガー)を作ったり、なくしたりしてみましょう。

トイレに入ったら英単語を10個覚えるとか、洗い物をしている時はオーディオブックで学習するとか。このようにいつもの行動を引き金にして、新しい習慣を身に着けようとすれば成功率は格段に上がります。

 

時間と場所をイメージする

しなければならないと思っていることならば、それをする時間と場所をイメージするだけでも、実際に行動する確率が高まる。これはニューヨーク大学のペーター・ゴルヴィツァーの実験※でも明らかになっています。

 

(※詳しくは過去記事参照→ゴルヴィツァーのクリスマスエッセイ実験

 

今日のまとめ

自分の中の象使いに方向を教え、象にやる気を出させ、道筋を定める方法をご紹介しました。たった3つのシンプルな原則なので、さっそく習慣に取り入れるのも難しくないと思います。

 

また、本書はたくさんの事例が盛り込まれており、それぞれの事例→結論という文章構造もしっかりしています。翻訳本が苦手な方でもきっとスラスラ読めるでしょう。文庫本が出版されているので、ぜひ手にとってみてください。

 

出典