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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

【書評】目標達成のための科学的ノウハウを学ぶ『やってのける』

「準備を怠ることは、失敗するための準備をするようなものだ。」

 

 という言葉をご存知でしょうか? 

 

本の中でも紹介される、ベンジャミン・フランクリンの言葉です。

 

私たちは毎日、ダイエットや片付け、怠け癖を矯正すること、貯金、ジムに通って健康づくりなど。

様々な目標を設定するものの、そうした目標を達成することはなかなか難しいですよね。

 

今回はそうした目標達成のために役立つ、科学的な裏付けのある手法が紹介されている『やってのける』を読んだので、

目標達成のためのポイントと書評をまとめました。

目次

 

簡単にやる気を高める方法

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仕事のない週末や、勉強から開放された夏休みなど。

普段のルーチンワークが不要な日には、何をやるにもやる気が湧かない…ということがありますよね。

 

週末に勉強したいと思っているのに、強制力がないから続かない。

夏休みに資格を勉強しようとしたけど、ついなまけて遊んでしまった。

 

そんな経験は誰にでもあると思います。

 

そんななまけ者の自分を奮い立たせて、やる気を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

「なぜそれをやるのか」を考える

「なぜ」という視点で捉えると、日々の小さな行動にも、意義を感じやすくなります。理由が明確になることで、小さな行動が、大きな目標を達成するための一歩に変わるのです。

 

本書で紹介されている最も有効な方法は、「なぜそれをやるのか」を考えることです。

 

ただ勉強する、貯金をする、ジムに通うといった「なにをやるのか」に目を向けるのではなく、なぜそれをやるのかという理由を思い浮かべることが効きます。

 

漠然と勉強しようとしてもなかなかやる気はでないけれど、「就活のため」「収入を増やすため」、そして「自由な時間を増やして幸せになるため」といった理由を考えるのがよいでしょう。

 

例えば私の場合は、請け負っているライターの仕事や、編集の仕事に取り掛かるまでのやる気がでないことがよくあります。

 

そんな時、「バイトや会社員として働かずに済むようにするため」「ライターや編集者、WEBサイトの知識を深めて、将来自分でサービスを立ち上げるため」といった理由を明確にします。

 

そうすることで、目の前のつまらない行動を、大きな目標への一歩だと実感することができるようになりました。

 

防御型の思考をもつ

 行動を先延ばししないためには、「防御型」の目標も有効です。失敗した時に生じ得る損失を直視することで、意欲が高まります。

 

「防御型」の思考とは、心理学者のトーリー・ヒギンズが提唱する「フォーカス(焦点)」で取り上げられています。

 

責任や義務を果たすことであり、すでに持っているものを失わないことです。

 

新しいモノを獲得したり、ゼロをプラスにすることよりも、

今持っているモノを奪われないように守ること、ゼロをマイナスにしないことに重点を置く考え方ですね。

 

この「防御型」の思考を用いることによって、失敗した時の損失を回避するため、今の生活と家族を守るため、やらなかったときの機会損失を避けるため、

 

行動に取り掛かることができるようになります。

 

これでもう先延ばししなくなる!

「何」に注目すると、行動を先延ばししにくくなるという利点もあります。

 

「なぜ」に注目することでやる気を高めることができることを述べましたが、

「何」に注目することに関しても大きなメリットがあります。

 

リーベルマンらの実験によると、ある行動の具体的な手順(何)を記述させた学生は、その行動を取る理由(なぜ)について記述させた学生よりも、

依頼されたアンケートに対し10日も早く回答を提出したという結果がみられました。

 

つまり、具体的な手順を思い浮かべることで、先延ばしを防ぐことができるんです。

 

例えば勉強だったら、「教科書を開く」「ペンを持つ」「文字を書く」といった具体的な行動をイメージすることで、重い腰をあげられるようになります。

 

たしかに、「資格を取るためにがんばって勉強する!」よりも、「まずは教科書を開く」といった手順をイメージするほうが、心理的なハードルは低くなりますよね。

 

「何」の思考と「なぜ」の思考、どちらも併用して目標達成に役立てましょう。

 

SPONSER LINK

 

 

シンプルな計画を立てるだけで成果は2倍になる

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ゴルヴィツァーのクリスマスエッセイ実験

ドイツ、コンスタンツ大学の社会心理学者、ペーターゴルヴィツァーが行った実験によると、

クリスマス休暇をどのように過ごしたかをエッセイにして提出するように依頼された学生のうち、

半分の学生に対していつ書くのか、どこで書くのかを具体的に決めてもらいました。

 

その結果、具体的な予定を決めなかった学生の提出率は32%、

予定を決めてもらった学生の提出率は、なんと71%だったのです。

 

いつやるか、どこでやるかを決めるだけのシンプルな計画を立てるだけで、目標を達成できる確率が2倍以上に高まるなんて驚きですよね。

 

シンプルな計画のつくりかた

本書で紹介されているシンプルな計画の作り方は、非常に簡単です。

 

・いつやるのか

・どこでやるのか

・どのようにやるのか

を盛り込んだ計画をつくるだけ。どんな目標や行動に関する計画であっても、効果があると著者は述べています。

 

WhenとWhereとHowの項目を作っておいて、メモや付箋、手帳に書き込んでおくといいですね。

 

例えば私の場合なら、

・いつ:明日の午前中に

・どこで:リビングにある無印良品の折りたたみデスクで

・どのように:まずは入稿された記事の検品をしてから仕事の発注をする

という編集の仕事についての計画を立てることができます。

 

これを明確にしておくだけで、明日先送りせずに仕事を終わらせられる確率が2倍に高まります。

今日からは安心して寝れそうですね。笑

 

条件型計画(if-then)の効果

それではなぜ、このシンプルな計画を立てるだけで、達成できる確率が2倍になるほど効果的な結果が得られるのでしょうか?

 

その疑問について、著者はこのように書いています。

目標達成行動を、いつ、どこで実行するかを決めると、脳内で驚くべき作用が生じます。計画をつくるという行為によって、状況や手がかり(if)と、それに続く行動(then)が脳の中で強く結びつくのです。 

 

つまり私の例の場合であれば、明日の午前中、リビングにある無印良品の折りたたみデスクの前に座ることで(if)、編集の仕事を始めるスイッチが入る(then)。

というわけです。

 

これを「条件型計画」といい、意識して行動することはもちろん、条件が生じれば無意識のうちに行動に移すことも可能な、すごく便利なツールです。

 

このシンプルな計画は、著者がこの本の中で一番強調したい部分であると明言しているので、この「条件型計画」だけでも明日の生活から取り入れてみてください。

 

おわりに

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ということで、ブログの更新を1ヶ月近くストップさせ、記事を書くことを先延ばしにしてしまっていた私がまとめるのはおこがましいほどの素晴らしい内容の本でしたが、

内容の素晴らしさが少しでもお伝えできましたでしょうか?

 

この他にも、

・意志力を使わずに行動をおこせる4つの方法

・自制心を回復させるコツ

・非現実的な楽観主義をやめる

などなど。私達の目標達成に役立つ内容が盛りだくさんの本でした。

 

ぜひ手にとって読んでみてくださいね。

 

出典

 

耳で聞けて、倍速で聞けるオーディオブック版もおすすめです!

書影
[オーディオブック版]
やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~
著者:ハイディ・グラント・ハルバーソン/著、 児島修/訳
再生時間:7時間6分
オーディオブック配信サービス「FeBe」