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「昨日の自分に教えたいこと」をテーマに書き散らしてます

「デフォルト(標準)」を工夫して貯金を成功させる心理テクニック

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意志の力に頼ることなく、周囲の環境を変えたり選択肢を工夫することによって、望む成果が得られやすくなるものです。

たとえば、通販サイトやネットバンキングのパスワード。あるフレーズをパスワードに設定すると、貯金がしやすくなるという研究結果があります。

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1.意志力を節約し、成果を高める「デフォルト」の効果

幸せな選択、不幸な選択』では、幸福になるためのヒントとなるテクニックがたくさん紹介されています。なんかでも今回扱うデフォルトの効果は大きく、意志の力や自制心に頼ることなく望む成果を得られる可能性が高まります。

「デフォルト」というのは、いわゆる標準設定のこと。 パソコンやスマホの設定では「工場出荷時に戻す」なんて項目がありますが、この初期状態をデフォルトと言います。あらかじめ設定されている標準状態のことですね。

スマホのホーム画面もそうですし、WEBサイトにログインするためのパスワードもデフォルトの一つと言えるでしょう。他にもWEBブラウザを立ち上げた時に一番最初に表示されるホームページや、毎日起きてから一番最初にすることも、ある種のデフォルトと言えます。

日常生活で「デフォルト」というものに出会うことは少なくないもので、自分が目指している目標や、望ましい成果を手に入れるために、デフォルトの力を借りようというのが今回の趣旨。

2.成功を収めた年金制度プランと臓器提供システム

幸せな選択、不幸な選択』で紹介されている具体例をみながら、デフォルトをどうやって工夫するのかを考えていきましょう。

デフォルトの概念は例えば年金制度で利用されており、あえて脱退の意思表示をしないかぎり加入したままになる年金制度プランは、拠出金が多くなる傾向にある。

つまり、「年金制度に加入する場合はこの書類を提出してください」とするよりも、「年金制度に加入する意思がない場合はこの書類を返送してください」のようなオプションで加入者を集めると成功しやすいということです。

人は本来めんどうくさがりな生き物ですので、「書類を出すのめんどくさいし、年金に入っちゃうか」と考える可能性が高まるわけです。このやり方を考えた人は頭がいいなと思えますね。

また臓器提供においては、あえてNOの意思表示をしなければYESとみなされる 提供者 登録方式にすれば、ドナーが増える( 4)。

同様に、臓器提供のドナー登録を増やす場合にも、このデフォルトを活用する方法が取り入れられています。

日本でも免許証の裏なんかには、臓器提供に関する意思を問う記入欄があります。そこでは、「提供したくない臓器には×をつける」という選び方になっています。注目すべきは「提供したい臓器に○をつける」とはなっていない点です。

記入するのは面倒だし、死んだ後のことなら別にいいか、と多くの人は考えそうですし、私もそんな考え方をしてしまう人間の一人です。具体的な統計データを調べたわけではありませんが、こうした書き方にすることで臓器提供の実績数が大幅に増えているんじゃないでしょうか。

3.ホームページを変えてみよう

朝一番にフェイスブックをチェックするのが習慣になっているなら、数日間だけでも、あなたのデフォルトを例えばニュースのような別のホームページに変えてしまって、あなたの感じ方にどんな影響が出るか調べてみよう。

もちろん、政策レベルの話だけではなく、私たち個人の生活でもこのデフォルトの力を活用することが可能です。たとえば、ブラウザを立ち上げた時に一番最初に表示されるホームページ

多くの人は、Yahoo!JAPANやプロバイダのトップサイトをホームページに設定していると思います。もしかすると Twitter や Facebook などの SNS のページを設定しているかもしれません。

しかし、そのしたページで何かを学ぼうとするのではない限り、今すぐ設定を見直した方がベターです。たとえば今勉強している資格についてのポータルサイトを設定してみたり、 Kindleで引いたハイライトをまとめて表示するサイトを設定してみたり。

そうすることで、毎日WEBブラウザを立ち上げた時に、すぐに SNS をチェックしたりメールチェックをするのではなく、将来の自分のために勉強をしたり読書したりしようという気になるはずです。

あまりブラウザを立ち上げることが少ないという方は別かもしれませんが、1日の中で頻繁にブラウザを開くという場合には、大きな効果を発揮しそうです。

4.ネガティブな単語でパスワードを設定

貯金や節約を連想させるパスワードを銀行口座に設定する手もある。〝悲しみ〟、〝苦悩〟、〝失恋〟といったネガティブな感情を連想するよう誘導された人は、それ以外の人にくらべて、チョコレートに高い金を払おうとはしないことがわかっている。

買い物中毒の人は、こうした言葉を最も誘惑の多いサイトへのパスワードに設定してもいいだろう

続いて、 デフォルトの力を借りることで貯金・節約に結びつける例です。研究によるとネガティブな感情を想起させるような単語に触れた場合、目の前の誘惑にあまりお金を使わなくなったそうです 。

これを活用すれば、 Amazonのログインパスワードにネガティブな単語を設定してみたり、ネットバンキングのパスワードを気分の悪くなるようなフレーズを登録してみたりするのも良さそうです。

たとえば、hasan(破産)、seikatsu hogo(生活保護)、shakkin(借金)、rikon(離婚)、utsubyo(うつ病)なども効果がありそうです。毎日こうした単語をAmazonのパスワードとして入力していれば、なんだか買い物がしにくくなるような気がしますね。

逆に、あまりにもポジティブな単語を設定してしまうと、気前が良くなって財布の紐が緩みやすくなる可能性があります。ポジティブシンキングは大事ですが、お金にまつわる場面では避けた方が良いでしょう。

5.「楽しい友人と行動する」をデフォルトに

さらに本書では、付き合う人間関係のデフォルトにも気を使ってみることを推奨しています。

自分が一緒にいて楽しいと思う人たちと行動をともにすることをデフォルトに設定すると、あなたが経験する快楽とやりがいの度合いや、あなたの意思決定の質が高まりやすい。

これは一生添い遂げるパートナー選びにも重要なファクターとなるはずです。いっしょにいて「楽しい」状態がデフォルトになるか。それを基準にして友人選びや恋人選びをするのがいいのでしょう。結婚後も「楽しい」デフォルトが続くかはわからないものですが。笑

いっしょに話して楽しいと感じられる友人とは、定期的に会ったり話したりするほうが幸福度があがるはずです。ならば、ここでもデフォルトの力を借りてみましょう。つまり、「毎週金曜日の夜9時に電話しよう」という約束を交わすわけです。

「もし都合がつかなかったら連絡しよう」というルールにして、毎週金曜9時から友達と会話することをデフォルトにするイメージです。そんな関係ができたら、人生の満足度は大きくあがりそうですね。

まとめ

  • 「デフォルト(標準)」を工夫することで、意志の力を使わず目標達成できる
  • 通販やネットバンキングのパスワードをネガティブなものにすると、貯金できる確率アップ
  • ホームページを自己投資に役立つサイトに変えれば、時間の浪費を防げるかも

というわけで、望ましい選択肢をデフォルトにし、それ以外の行動をしようとする場合にはめんどうな手順を踏まないといけない…という状況をつくり出すことで、自分を操る方法を解説してきました。

特に通販サイトやネットバンキングで、不快になるような単語を設定するってのは効果的かも。とはいえ、私の場合は1PasswordでWEBサービスのアカウントを管理しておりますんで、パスワードを手打ちする機会はなし。あまり恩恵を受けられないかもしれません。

ほかにもホームページ設定やスマホのホーム画面の設定など、意外と身の回りには「デフォルト」があふれています。意志の力を使わず目標達成するために、変えられるデフォルトはどんどん変えていきましょう。

以上、『「デフォルト(標準)」を工夫して貯金を成功させる心理テクニック』という記事でした。