「自制心」ってのは、どんなビジネススキルよりも大事な能力だと思っています。
今回は「判断を減らす」ことによって、自制心を有効に使おう!って話を書いていきます。
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1.自制心が成功をもたらす
心理学の分野では有名な「マシュマロ実験」というものがあります。
これは、コロンビア大学の心理学者ウォルター・ミシェルがおこなった研究で、186人の子どもたちの自制心を計測したもの。
実験では、子どもたちの目の前にマシュマロ1個を置いて、「15分間待てたらもう1個あげるよ」と声をかけ、子どもたちの様子を観察しました。
結果、15分待てずにすぐにマシュマロを食べてしまう子どもや、15分待ってしっかり2個もらえた子どもが存在することが判明。
さらに驚くべきなのは、2個もらえた自制心を備えた子どもたちを何十年も追跡調査した結果、より成功した人生を歩んでいることがわかったのであります。
すなわち、私たちも高い自制心を備えることができれば、学校で好成績を納め、仕事でも高い評価を残し、幸福な人生を送れるようになるんではないか、と。
自制心ってどんな場面でも役立つ
考えてみれば、自制心があれば人生のどんな場面でも成功しやすくなるように思えます。
たとえば、学生時代に自制心があれば、誘惑に負けず部活や勉強に取り組めるでしょう。
社会人になっても、自制心をフルに使って資格の勉強をしたり、締め切り前に資料作成できたりするはず。
スケジュールを組んで予定を決めて遊び、予算をつくってお金を有効的に使えることでしょう。
私個人も、「もっと自制心があったら…」と思わずにはいられない場面を何度も経験してきました。笑
2.自制心には限りがある…かも?
時間・お金と並ぶ貴重な資源「自制心」ですが、これにはどうも上限があるっぽい。
たとえるなら、RPGでいう「MP(マジックポイント)」のようなものでしょうか。
お菓子の誘惑に負けじとダイエットに取り組んだり、職場でイライラを我慢したりすると、このMP(自制心)が減り、1日の終わりにはついSNSで時間のムダづかいをしてしまうってことであります。
ちなみに「自制心に限界はない」って説もあったりしますが、当ブログでは自制心には限界があるから大事に使おう!ってスタンスで話を進めていきたいと思います。
3.判断する回数を減らして自制心を温存
さて、そんな自制心ですが、MPの例の通り、使えば使うほどすり減っていってしまいます。
どんな場面で減少していくかというと、私たちの日常生活すべてにおいて消耗する可能性があります。
買い物に行けば「これを買おうか、あっちを買おうか、それとも節約しようか」と考えるでしょう。
自宅にいても「掃除や洗濯はいつやろうか、食器洗いが先かな、いやまず米を研ぐのが最優先かも」などと思いを巡らせます。
もちろん、明確に意識してこうやって考えることは少ないでしょうが、無意識に「判断を下す」という行動をしているのは明らかです。
この「判断」に自制心が使われているんですな。
「小さな判断」で意欲が低下
ミネソタ大学のキャスリーン・ボーズの実験では、学生たちにさまざまな製品を選択する「小さな判断」を繰り返してもらったそうな。
その後に出題された問題への取り組み方が大きく変わったようで、「小さな判断」を経験しなかった学生たちに比べ、彼らは問題に解答する意欲が大きく削がれてしまったらしいのです。
つまり、「どっちの製品を選ぶか」みたいな小さな判断であっても、私たちの自制心を消耗させ、仕事や勉強に対するやる気を削いでしまうってことであります。
日常生活で「判断」を減らそう
この実験からいえるのは、私たちはもっと日常生活での「判断」を減らすべし!ということになりましょう。
Appleのスティーブ・ジョブズや、Facebookのマーク・ザッカーバーグは、毎日同じ服を着て仕事をしていたことで有名です。
「どの服を着るか」という判断すら、彼らは嫌ったという証。
毎日同じコーディネートで過ごすと決めていれば、服選びに迷うことはなくなります。
毎日同じメニューを食べると決めていれば、食事について悩むことはなくなるでしょう。
「判断せずに済ませるにはどうしたらいいか」という視点で考えれば、ほかにも最適化できる行動はあるはずです。
生活上の「判断」を最小限に減らし、私たちの自制心を節約できるように努めましょう。
まとめ
- 「自制心」は、人生で成功するかどうかを決める重要なファクターである
- 自制心は、些細な「判断」で消耗し、日常生活を通じてすり減っていく
- 服を統一するなど、普段の生活で「判断」を減らせば、もっと有意義なことに自制心を使えるはず
以上、『最強のビジネススキル「自制心」を賢く使おう』という記事でした。
なお、自制心については筋肉のように鍛えることができるとされています。
毎日自制心を要する活動を続けていると、いつのまにか自制心の上限が拡張されていくってことですな。
また、自制心は食事・睡眠・運動で回復することもわかっていますので、ここぞというときにはこれらに取り組んでみるのもおすすめ。