『やり抜く人の9つの習慣』で紹介されている目標達成のための習慣のひとつに、「現実的楽観主義者になる」というものがあります。
「現実的楽観主義者」とはどんな人か。「非現実的楽観主義」とどう違うのか。
今回はそれをテーマに目標達成のコツを紹介していきます。
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1.楽観主義は成功をもたらす
「自己効力感」という分野の専門家、心理学者のアルバート・バンデューラという人物が、「楽観主義はいいぞ!」の元祖となる事実を発見しました。
それは、
「ある人が成功できるかどうかの最も信頼できる指標─それはその人が心から成功できると信じているかどうかにある」
というものです。
つまり、自分の成功を信じていれば信じているほど、その人は成功しやすいってことですね。
成功を信じる人こそが成功者になれるってのは、自己啓発本でよく聞くフレーズです。
いわゆるポジティブシンキング。
自己啓発のセミナーに行くと、参加者みんなで「金持ちになるぞー!」「成功者になるぞー!」みたいなことを大声で叫ぶ…といった話を聞いたことがありますが、その根拠になっているのもこの法則であります。
2.ただし非現実的楽観主義はNG
ただし、自分の成功を信じるだけの人、すなわち「非現実的楽観主義者」は、むしろ成功から遠ざかってしまいます。
イメージとしては、「自分は成功するぞー!」と自己暗示でもかけるかのように念じ続けるものの、何のアクションも起こさない人。
「引き寄せの法則」にどっぷりハマっている人なんかに見られるかもしれません。
しかし、「目標は簡単に達成できる」と考えてはいけない─ここに注意すべきなのです。
と、『やり抜く人の9つの習慣』でも説いています。
「心に願うだけでなんでも叶う」と考え、自分からは何も行動を起こすことなくただ成功を待ち望む。
そんな態度では、目標達成はできませんよね。
ポイントは「簡単に達成できる」と考えてはいけないという点です。
自分の目標はあくまでも努力を要するものであり、棚からぼたもち的な成功は願っちゃいけないってことですな。
考えてみれば当たり前なことですね。
3.現実的楽観主義で暮らすために
現実的楽観主義者は、自分が直面している問題や壁に正面から向き合い、困難を乗り越えようとします。
それでは、どうやったら「現実的な楽観主義者」になれるのでしょうか。
まずは「自分の前に横たわる課題や困難から逃げないで、しっかり見つめること」そして「課題や困難がどの程度のものなのかを検討すること」です。
つまり、引き寄せの法則みたいな「ラクになんでも手に入る」という考えを捨て、自分の力で道を切り拓く勇気を持とうってことです。
さらに、成功をビジュアリゼーションするだけでなく、成功するまでのステップと取るべき行動をビジュアリゼーションすることに取り組むといいのです。
このように、成功するまでに踏むべき具体的な手順をイメージするってのもおすすめなんだそう。
たとえば「お金持ちになりたい」と願ったとします。
非現実的な楽観主義者は心の中で「自分は金持ちになれる!」と唱えるだけ。
しかし現実的な楽観主義者は、「どうやったら金持ちになれるか?」を考えます。
そのうえで転職をしたり、貯金や投資を始めたりと具体的な行動をイメージし、実行するわけです。
そこには「おやつを食べたい」という誘惑があったり、「もっと贅沢に遊びたい」という欲求があるでしょう。
「おやつを食べたい」という誘惑はどれくらい強く、おやつを買わないようにすることはどれくらい難しいのか。
こうやって具体的な問題をしっかりと考え、対処方法を考えていくのであります。
私たちも目標達成したいとき、この現実的楽観主義者の立場になって行動を起こせるようになりたいですね。
まとめ
- 楽観主義はたしかに成功をもたらしてくれる
- ただし単に「引き寄せの法則」などに頼るだけではダメ
- 現実と向き合い、問題と困難という壁を「自分なら乗り越えられる!」と考えるべし
以上、『楽観主義は不幸になる?「現実的楽観主義」のススメ』という記事でした。
「引き寄せの法則」的な楽観主義はやめて、現実に向き合いつつ楽観主義のスタンスを貫こう。
それが今回のメッセージです。
ちなみに、『やり抜く人の9つの習慣』ではほかにも目標達成に役立つノウハウがまとめられています。
特筆すべきは、そのページ数の少なさ。
わずか120ページほどの小冊子のような本なのですが、非常に密度が濃い本です。
個人的には2017年に発売された本のなかでNo.1の内容。
何か目標ができたときには、その都度1回読み直そうと思っております。