親や祖父母、あるいはパートナーに「モノが捨てられない」という性格の人はいないでしょうか。
そんな捨てられない性格には、3つの心理が隠されています。
今回はその3つを、『片づけの心理法則』から紹介します。
SPONSER LINK
1.選択回避
1つめの選択回避の法則というのは、すでに述べたように、選択肢が多くなりすぎると人間はモノを選べなくなる、ということです。
以前の記事にも書いた通り、人生の選択肢が多すぎると、選ぶのに疲れて無難な職業や生活を選んでしまいがちです。
だったらむしろ、人生の選択肢を減らすっていう戦略をとろう!っていう話でした。
同じように「選択肢が多いと思考が停止する」っていう状況はよくあります。
たとえば以前、私が郊外にある大型のスーパーに行ったときの話。
そのスーパーには、しょうゆやみりん、料理酒などが何十種類も置いてある品揃えの素晴らしいスーパーでした。
ちょうど自宅の調味料が切れかけていた私は、「おおー!」と思いつつ品定めすることにしたんですな。
しかし、しょうゆひとつ取ってもメーカー・値段・容量が違いますし、「減塩」とか「特選」とかいろんな種類があって、まったくもって選べない。
5分ほどあれこれ手にとって悩んでいたような気がしますが、結局いつも使っているヤマサのしょうゆを手に取ることにしたのでした。
一方で、いつも行っている小さなスーパーでは、私がいつも買うヤマサのしょうゆのほか、数種類しか置いてありません。
そのスーパーでは、いつも迷うことなくヤマサのしょうゆを手に取ります。
大型スーパーって品揃えが豊富な分、選ぶのに疲れてしまい、結局「選べないからまた今度買おう」ってなってしまいがち。
これがモノが捨てられない人にも当てはまる、選択回避の法則であります。
2.損失回避
2つめが、損失回避の法則です。簡単にいえば、人間は自分が損をすることを非常に恐れる存在だということです。
たとえば、コインを投げて裏だったら2万円もらえて、表だったら1万円払うってギャンブルがあったとします。
このギャンブルに参加するかといわれた場合、あなたは参加するでしょうか?
おそらく多くの場合、2万円という利益よりも、1万円という損失が大きく見えてしまって、参加するのをためらうことでしょう。
しかしよく考えれば、コインの表裏が出る確率は2分の1なんですから、期待値はプラス1万円。
合理的に考えれば、ぜひとも参加すべきギャンブルなわけです。
それでも私たちが参加したくないと考えてしまうのは、1万円損するのがイヤだから。
モノが捨てられない人も、モノを捨てて損した気分になるのがイヤで溜め込んでしまうんですな。
3.保有効果
3つめは、保有効果です。これは、自分が一度所有したモノに、より高い価値を感じてしまうということです。
損失回避と似ていて、これも失うのがイヤだと考える人間の性質のひとつです。
すでに持っているモノに高い価値を感じ、手放したくないと思ってしまうことですね。
たとえば、私たちが古本や古着を売るとき「思った以上に安いな〜」なんて感じることがありますよね。
これも、私たち自身がこれまで持っていた本・服などの価値を、より高く見積もってしまう「保有効果」が原因です。
モノが捨てられない人は、この保有効果によって自分が持っているモノの価値を高く感じてしまうため、なかなか手放せないのであります。
まとめ
以上、『「モノが捨てられない人」の原因になる3つの心理by『片づけの心理法則』』という記事でした。
メンタリストDaiGOの『片づけの心理法則』で目指しているのは、ミニマリズムとか煩悩からの解放とかそういうのとはちょっと違います。
そうではなくて、人生の最大化をいちばんの目標に据えています。
つまり、幸福で満ち足りた人生を送るために、身の回りを整理しようってことですな。
だから決して、「ミニマリストはいいぞ!」「モノがないと幸せになれるぞ!」みたいな本ではありません。
科学的な裏付けを交えてわかりやすく書かれているので、最後の片づけ本として、本書を手にとってみてはいかがでしょうか。